2017年10月、以前から憧れていたSR400を新車で購入しました。
グロム、ヴォーグ、モンキーを乗り継いできましたが、原付を除いて初めての本格的バイクデビューとなります。
納車からちょうど1ヶ月。
僕がなぜSRを購入したのか、SRを買ってからやることなど、納車後のインプレなどをしてみたいと思います。
目次
僕がSR400を買った理由
2017年現在、主要モデルは400cc以上の大型車となっており、400cc以下のラインナップはどんどん少なくなっています。
とくに僕が好きなクラシックタイプやトラッカーなどは、排ガス規制による生産終了が相次いでおり、新車で買えるモデルで候補に上がったのは、SR400(ヤマハ)とエストレヤ(カワサキ)のみ。
そしてこの2車種も現行モデルで生産を終了してしまいます。
すでにSRは新型の開発が発表されていますが、セルスターター、水冷化、ABS、コスト増による値上げなど、SRらしさを失いかねない情報も目にします。
SRは設計や装備がシンプルであるからこそ、走る、カスタムするど、幅広く楽しめるバイクであり、さらに同クラスの他車種と比べて価格が安いことが魅力です。
最終的な決め手となったのは、“もし今買わなかったら後悔するバイクを買う”でした。
スタイリングだけで言えばエストレヤのファイナルエディション。
しかし約40年も売れ続ける名車に一度は乗っておきたいという気持ちが強くSR400を選びました。
SR400(FI)の納車後インプレ
街乗り
軽い車体とトルクのあるシングルエンジンの組み合わで、街乗りでのストレスはまったくありません。
26馬力とそれほど力のあるエンジンではありませんが、街乗りでパワー不足を感じることまずないでしょう。
また車体もそれほど大きくないので、駐輪場など駐車する場所にも困りません。
高速道路と最高速
快適な巡航速度は90km前後。
速度あたりの回転数は、100kmで4,500~4,700回転、110kmで5,000~5,200回転。
あくまで感覚的なものですが120kmは余裕。140kmぐらいは出そうです。
「スピードを出すと振動がきつい」というレビューを見かけますが、
スピードの上昇と比例して、これまでのドコドコ感がなくなり、不思議それほど振動が気にならなくなります。
それよりも、風の音と風圧で100km以上は快適ではありません。
スタイリング
言うまでもなくSRです。「どこからカスタムされるんですか?」とよく聞かれるのですが、僕はノーマルのままでも完成されていると思います。
またFI車とキャブ車を比較すると、燃料ポンプやO2センサーの有無、バッテリー位置の違いなどにより、カスタムの幅は狭くなっていると思います。
SR=カスタムするバイクというイメージがありますが、ノーマルを維持して乗るのもいいかと思っています。
乗り心地
車体が軽く、振動が大きいバイクというイメージを持っていたので、意外と乗り心地が良いことに驚きました。純正シートのほど良い柔らかさも影響しているのだと思います。
リアサスペンションは硬さを調整できるようになっています。今のところ初期設定のままです。
エンジンの振動
バランサーのないビッグシングルだけあって振動は大きいですが、むしろこの鼓動感がSRに乗っていることを感じさせてくれます。
また振動といっても決して不快なものではなく、回転数を上げてみるとむしろ振動が少なくスムーズに回ってくれるエンジンです。
慣らし運転中のため高速道路は走っていませんが、時速80km前後ではほどよい鼓動感でストレスなく走れます。
ハンドリング
今まで原付にしか乗ったことがありませんが、取り回しに苦労することはまったくなく、むしろ重量の差(グロムとは70kgほど)がほとんど気にならないほどに軽快なハンドリングです。
車体も大きくないため、行く場所を選ばず走りを楽しめるバイクです。
燃費
初めての燃費計測は27km/Lちょっと。走行距離が少ないため、まだ1度しか計測していません。慣らし中は回転を抑えていますので、正直もう少し良いと予想していました。
1,000kmの慣らし運転が終わりました。4回給油して燃費の平均は27.12kmでした。
価格
購入したのはいつもお世話になっている街のバイク屋さんです。価格の安さといざという時のサポートのバランスを重視しました。
グーバイクなどを見ると乗り出し価格は50~60万円前後。僕は支払い総額52万円で購入したので結構安いほうだと思います。
一番苦労するのはやはりキックスタート
買ってから一番苦労するのがキックスタートだと思います。
現行はインジェクションモデルなので、始動しやすいだろうと甘くみていましたが、コツをつかむまでには慣れが必要です。(レッドバロンの店員さん曰く、キャブ車のほうが始動しやすいとか…。)
慣れてしまえば小柄な女性でも簡単に始動できるとのことで、1ヶ月も乗っていれば大体1発(5回に1回くらい失敗)でかけられるようになっています。
しかし、もし交差点の右折でエンストしてしまったら、冷静にキックスタートする自信はありません。
もし気を抜いてエンストしてしまったら、一旦降りてダッシュでバイクを押していくのが一番安全です。
もしものときのために、スタンドをかけずに左足で車体を支えてキックする、インジケーターを見ないで始動するなど、色々な始動方法を試しながら練習しています。
慣らし運転はやっておいたほうが良い
慣らし運転は1ヶ月(または1,000km)まで4,000回転以下となっています。
バイク屋さんにはレッドゾーンの半分3,500回転くらい(SRは7,000回転からレッドゾーン)までと言われています。
5速ギアで3,500~4,000回転だと、速度は大体80km前後といったところなので、幹線道路で流れに乗れないようなことはまずありません。
しかし、急な加減速は禁物のため、慣らしをしっかりやろうと思ったら高速道路を走行するのは難しいです。
「バイクに慣らしは必要なのか?」という考え方もありますが、僕はバイクのエンジンやミッションの構造を考えても必要だと思います。
クルマの説明書に慣らし運転の説明はありませんが、バイクの説明書には具体的な説明が書かれているのは、やはり必要だからなのでしょう。
1ヶ月間の走行距離は400kmちょっと。
初回点検の無料チケットは新車登録から50日以内(または1,000km走行時)、初回のオイル交換も1,000kmとなっています。
SR400最終モデルの在庫状況について
僕が発注をかけた2017年10月初旬の時点で約1年分の在庫を作り置きしている状態。
しかし生産終了発表後に注文が増えていることから、おそらく1年を待たずして在庫終了となるのではという予想です。
過去の生産終了モデルを振り返ってみると、メーカー在庫が少なくなると値引きが難しくなり、販売価格が上がってくることもあります。
SR400の新車を検討しているなら早めに見積もりを取ることをおすすめします。
SR400は一度は乗っておきたい日本の名車
SR400を移動手段だけで見ればなんとも不便なバイクです。
始動はキックのみ。振動が大きくて手がしびれる。そんなに速くない。荷物もそんなに積めない。エンストの恐怖。
弱点を上げればキリがありませんが、1つ1つの面倒なことも、1つの儀式として楽しめる魅力がSRにはあります。
僕の周りでも「昔乗ったSRにもう一度乗ってみたい」「いつか乗るためにSRは売れない」という人たちがいます。
それは便利なスクーターでも、最新のバイクでもなく、SRでなければいけない理由があるからです。
最新のバイクは今後も買いたい時に買うことができますが、基本設計が40年も前のバイクを新車で購入できるチャンスは、少なくなっていくでしょう。
そんな日本の名車SR400を購入できたことに感謝し楽しんで乗ろうと思います。